リドヴォーでシャンパーニュ。

ちょっと珍しい病気になってしまったコピーライターの日記です。

2020-01-01から1年間の記事一覧

わたしは錆びた1本の管

さすがに検査当日はお酒ご法度。明日のお楽しみ~ 人生初・内視鏡検査が無事終了。 昨年、胸腺腫が発覚して CTやらPETやらいろいろと検査はしたものの、 消化器系の病変は見つかりにくいと聞いていたので、 一念発起! どうせなら一度に済ませておこうと、 …

見つけてくれて、ありがとう

患者会の「Zoom おしゃべり会」に初めて参加。 「胸腺腫」は20万人に1人といわれる希少がんなので、 同じ経験をした方に会うことはなかなかないし、 病院選びや治療に関する情報も集めづらい。 その結果、とても深刻な状況に陥ってしまう方の多さに、改めて…

死ぬなら「がん」が好都合。

マーク・トウエインが遺した言葉がある。 「愛はもっとも素早く育つものに見える。 だがもっとも育つのが遅いもの、それが愛なのだ」 確かにこれはある意味真実だと思う。 それとは逆に、「嫌い」という感情は 一瞬で育つのではないだろうか。 ちょうど一年…

さて、「ピザ」と「ピッツア」の違いは?

「僕」と「五反田くん」が食べたのは、たぶんこんなピッツァ 私にとって初めてのピザは、 冷凍食品のうす~いやつ。 オーブントースターでチンして、 ふにゃっとしたのを片手で食べる。 あれはあれで、それなりに美味しかったような気がする。 私にとって初…

奇跡のようにいまを生きてる

数日前の六義園 「告知」とは、その字面の通り「告げ、知らせること」 ですが、なぜか、がんの枕詞のようになっていますよね。 私が「告知」されたのは、約一年前の11月5日のこと。 とはいえ、主治医の経験から 「命にかかわることのない軽微な状態」と判断…

ちょっとした傷が治らないお年頃。

2週間ほど前につけた、ちょっとしたかすり傷がまだ治らない。 さすがに50代も半ばを過ぎて、新陳代謝の衰えを痛感する。 そして代謝が下がると、体重は驚くほど簡単に増える。 別に若い頃に戻りたいとは思わないけど、 やはり一抹の寂しさというか何という…

築地本願寺のち、術後半年外来、デジャヴ付

胸腺腫の摘出手術から半年。 先日撮影したCTと血液検査の結果を聞きに、外来へ。 「腫瘍は完全に取り除けたと聞いているし、まあ大丈夫だろう」と思いつつも、 やはり「取り残しがあったら・・・」などと暗い想像が脳裏をよぎる。 大丈夫、大丈夫じゃない 7…

三浦春馬さんを悼む

白皙の馬走り去る永遠に 死よりも傷む生があるのか 実は特にファンというわけではなく、 それでも第一報を受けたときはかなりのショックを受けた。 三浦春馬さんの出演作はそれほど多く観ていないが、 印象的だったのは「おんな城主直虎」。 屈託のない笑顔…

短歌、はじめました

友人からのお誘いを受けて、 女性がんサバイバー限定の短歌の会に加えていただくことになった。 さて、折も折、今週は術後半年検診で、久しぶりの築地。 結果は2週間後。 ちょっと宙ぶらりんな気分ながら、 遅いランチを食べながら冷えたビールを1杯だけ。 …

これからの人生における、お金のかけどころについて考えた~Defferent strokes by defferent folks.

高校時代の友人が、3年がかりでようやく完成させたこだわりの別荘にお泊り。 外観も内装も明るいアメリカンスタイル 土地探しから設計、施工を経て完成までは3年だけど、 彼女は高校生の頃から「いつか理想の家を建てる」と宣言し、 間取り図などをせっせと…

非日常から日常へのグラデーション

個人的癒しスポット「六義園」がついに再開。 最後に来たのは、ちょうど桜の頃。 約2ヶ月半ぶりの六義園は そろそろ終わりかけの躑躅、 紫陽花が色あざやかに。 躑躅があざやかに咲く六義園 木陰にひっそりと紫陽花が 年間パスポートは、閉園の2ヶ月半分、期…

グレーな毎日、顔くらいはパッと明るくしないとね♪

先日のリモート会議では、ちとやらかした。 参加者は4人。 私の他は、40代男性アートディレクター、Aさん。 クライアントの女性2人。 1人は以前から知っているアラサー女子のMさん、 もう一人は彼女の上司で初対面、推定30代半ばの女性Yさん。 初めての「W…

連休初日は「おからでシャムパン」。

内田百閒に「おからでシャムパン」という短文があり、 すっかり気に入ってしまったので、 今夜は満を持して実行することにする。 自粛生活に入ってから自分に課しているのが、 「毎日お酒を飲まないこと」。 飲んだ翌日は必ず1日空けるのがマイルール。 昨日…

旅に出かける「理由」と「自由」を、もう一度。

ほぼひきこもり生活になってから約1ヵ月。 フリーランスのコピーライターという仕事柄、 もともと自宅が仕事場だし、 生来の出不精でもあるので、 それほど生活が激変したとも感じていなかったのだが。 机の中から昨年のスケジュール帳がひょっこり出てきて…

暇になると、元気がなくなるフリーランス。

フリーランスで働く多くの方々と同じように、 私もこのところ、かなり暇である。 幸い、レギュラーの仕事が何本か進行しているので まったく何もしていないというわけでもないけれど、 対前年比でいえば50%以下の稼働率かな、体感的に。 ということは、今動…

コロナに感染していなくても、コロナのせいで亡くなる人々・・・

今や、病気といえばすべてコロナ一色、 病院にはコロナの患者しかいないような錯覚に陥りそうなほどだが・・・ もちろん、今この時にもさまざまな病気や怪我、 さらにはもっと深刻な病が発覚して、一刻を争う状況に直面しているひとがいる。 というか、数的…

コロナ疑惑の3週間。

3月25日、六義園の枝垂れ桜 手術から2ヶ月、レントゲンは問題なし 術後2ヶ月の外来を受診したのは、3月26日のこと。 そのわずか数日後に、国がん病棟勤務の看護師さんに コロナ陽性が出たと聞いて驚いた。 そういえば外来の時、W先生、マスクもしていなかっ…

こんなお宿でリモートワークしたい!「里山十帖」

そうだ、温泉行こう 退院から一月半。 手術の傷もだいぶ目立たなくなってきたので、 じんわりと閉塞感漂う東京を抜け出し、 1泊2日の温泉旅へ。 ヘルシーな料理と、 『なーんにもしない』を満喫できる宿がいいなーと思っていたところ、 ふと目に入ったのが、…

初めての「がん友」に遭遇した夜。

酒とつまみと病気のことと・・・ 大塚「まるま」にて 先週末、ちょっと不思議な飲み会に参加した。 場所は大塚駅そばの、美味しい日本酒と それに合うおつまみが楽しめる、雰囲気のいい居酒屋だ。 retty.me 集ったのは、男女それぞれふたりずつ。 といっても…

「おばあさん」が羨ましかった日々。

私が住む街は、東京23区の中でもっとも高齢化が進んだエリア。 つまり、道を歩けば高齢者にあたる。 昨年、病気が発覚して手術を受けるまでの間、 散歩や買い物の途上でおばあさんを見るたび、 やけに羨ましくて仕方がなかった。 もちろん、別に「孫が欲しい…

数字に弱いフリーランスは、ホワイトデーに向けてブルーになる。その理由はもちろん…

3月15日に向けて、日に日にブルーになるフリーランサー フリーランスで働く者にとって、 特に、数字に弱く経理作業を大の苦手とするものにとって、 もっとも憂鬱なタスク、それが確定申告。 年が明け、クライアントから支払調書が続々と届くようになると、 …

「がん保険やめようかな~」と迷っていたら、がんになった話。

がん保険加入率は30~40%前後 がん保険に加入している人って、どのくらいいるんだろう? ふと気になって調べてみたら、がん保険・がん特約の加入率は、 30代から50代で約40%。 保険の基礎知識↓ https://kichinto.club/knowledge/cancer/cancer02.html 私がが…

希少がん患者にとって「大切な人」、それは…

今まで縁もゆかりもなかった人が、 突然、「自分にとって一番大切な人」になることがある。 たとえばそれは、自分の命さえも左右するかもしれない人。 私の場合、それは「執刀医」だった。 昨年11月に「胸腺腫」という希少がんの疑いを指摘され、 今年1月末…

50代からの肉体と学習意欲。

ひさしぶりにラジオ体操、できた! 「何か運動していますか?」と聞かれて 「毎朝、ラジオ体操を」と答えると、なんだか微妙な顔をされる。 ラジオ体操って・・・・運動って呼べるの? いや、私にもいまひとつ自信が持てないが、 実はけっこう何かに効いてる…

世界でいちばん面白くない闘病ブログ、かもしれない。

2月13日、退院後2週間の外来へ。 「いかがですか、体調は問題ありませんか」と、 いつも通りにこやかなハンサム熊さんドクター。 「おかげさまで痛みもほとんどなくて、鎮痛剤は一度も使っていません。 退院したその日から仕事できたので助かりました~」 「…

“健診行かない派”だった私が、ぎりぎりで希少がんを発見できたワケ。

亡くなった父が繰り返し夢に・・・ 20万人にひとりの希少がん、胸腺腫。 胸骨や心臓の蔭に隠れてレントゲンに写りにくいため、 発見された時にはものすごく大きくなっていたり、 転移や播種を起こして手術ができない場合もあると聞く。 そもそもフリーランス…

手術から1週間。すでに日常感いっぱい・・・

1週間前の今頃は、がん病棟で いやいやながら焼きそばを食べ、 ようやく点滴やドレーンを外してもらっていた頃・・・ そう思うと、ふと不思議な気分になる。 30日に退院し、その日のうちに 急ぎの請求書作成に追われ、 31日は終日自宅でのんびり。 翌土曜日…

がん病棟のエレベーターで、空気が凍りついた瞬間。

ややさかのぼり、あれは退院の前日。 ドクターから、肺炎予防のためになるべく歩くよう言われていたので、 検査や食事の合間に院内を散歩していた。 もちろん、患者然としたパジャマ姿のまま、 1階のセブンイレブンを物色してからエレベーターに乗り込み、 …

退院日。「7㎝」の腫瘍を「2㎝」の穴から引き出せた秘密は・・・

退院前に解消したい疑問があった 手術からわずか3日、1月30日に退院。 実は退院する前に、どうしても確認しておきたいことがあった。 ・本当に手術は「完全胸腔鏡下」で行われたのか ・どうやって、「7㎝」の腫瘍を「2㎝」の穴から引き出せたのか ・「胸…

手術翌日のつづき。回復食は、まさかのソース焼きそば!

痛みも思ったほどではないし、何より手術の結果が良かったことで、俄然気持ちが上がってきたわたし。そうなると猛烈な飢餓感に襲われ、とにかく何か食べたくて食べたくて。 午前中は点滴やドレーンをガラガラと引き連れて4Fのレントゲン室へ。車椅子も用意…