リドヴォーでシャンパーニュ。

ちょっと珍しい病気になってしまったコピーライターの日記です。

黒い雲と白い雲との境目に。

昨年からかかわっていた出版プロジェクト、

ついに歌集が発売されました。

 

「黒い雲と白い雲との境目にグレーではない光が見える」

 

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こだわりの装丁、コンパクトなサイズ感

 

sayusha.com

 

「サイレンと犀」「たやすみなさい」などで知られる

現代歌人・岡野大嗣さんのオンライン短歌レッスンを経て、

26人の女性サバイバーが作品を寄せています。

私自身は、8首の短歌とエッセイを1つ掲載していただきました。

 

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いちおう、自選の代表作

 

長年、文章を書くことを生業としてきましたが、

本格的に短歌を詠んだのは初めて。

そもそもコピーライターというのは、

自分自身の気配を消して黒子となり、

クライアントになり替わってメッセージを伝える仕事なので、

生の感情を文章にのせるということに対しては、

やや臆病になっていたフシもありました。

 

岡野さんの

「忘れたくないことを忘れてしまってもいいように、

僕は短歌をつくっている」という言葉が示すように、

短歌がすくいあげるのは、

一瞬で過ぎ去ってしまう心の動きであったり、

具象化するのが難しい感情や風景であったりします。

 

特に病気などの困難の中にあるとき、

私たちはさまざまな情報や状況に心をざわつかされ、

名前のつけようのない思いに支配されることも。

そんな病と寄り添っている時期の心の動きは、

わずか31文字の短歌という形式と

とても親和性が高かったように思います。

 

一昨日手元に届いた歌集は、すでに全国の書店に並んでいるそうです。

「コデックス装」という、180度パカッと開くつくりは、

入院中などの寝姿勢でも軽く読みやすく、

紙の質感もしっとりマットで癒される感触。

感性豊かな西淑さんのイラストが、

それぞれの歌の世界をさりげなく表現してくれています。

 

Amazon電子書籍でも買えますが、

これはぜひ、紙の本で読んでいただきたいな。

(見かけたらぜひ、手に取るだけでも!)

 

 

https://www.amazon.co.jp/gp/product/4865280170?pf_rd_r=PAWCCNPN97CVSYKBHD0S&pf_rd_p=7626af39-b716-47c8-84eb-9679f177dc53&pd_rd_r=533a0cca-7b44-4d8a-a82c-da380d6e1217&pd_rd_w=IkgiH&pd_rd_wg=UXVpU&ref_=pd_gw_unk