リドヴォーでシャンパーニュ。

ちょっと珍しい病気になってしまったコピーライターの日記です。

築地本願寺のち、術後半年外来、デジャヴ付

胸腺腫の摘出手術から半年。

先日撮影したCTと血液検査の結果を聞きに、外来へ。

「腫瘍は完全に取り除けたと聞いているし、まあ大丈夫だろう」と思いつつも、

やはり「取り残しがあったら・・・」などと暗い想像が脳裏をよぎる。

 

大丈夫、大丈夫じゃない 7対3 外来前築地本願寺

 

久しぶりのA外来。

30分ほどの待ち時間の後に番号を呼ばれ、

28番診察室に入る。

 

ハンサム熊さんドクター、初めてのマスク姿だが

目がいつも笑っているので印象は変わらず。

「〇〇さん、いかがですか、お変わりありませんか」

「はい、おかげさまで元気です!」

「それはよかった。・・・先日撮ったCTですが、なんにも問題ありませんねー

血液検査も問題なし、と。」

ここで一気に緊張がほどけるが、

今日は他にもいくつか確認したいことがあるのだ。

「今後、特に気をつけることは・・・」

「特にありませんよ~」

そもそも胸腺腫は原因がわかっていないので、

対策の立てようがない。

ここがいつも不安なような、気楽なような。

 

そして最近気になっているのが、「重複がん」のこと。

がんを罹患した友人知人の何人かが、

肺がんの治療中に食道がんが見つかったり、

大腸がんの次に胃がんを患ったことなどを聞いていたので。

 

ドクターに聞いてみると

「胸腺腫の場合、普通のがんとは違うので

その心配はほとんどありません。

それに、〇〇さんの腫瘍は7センチと大きかったのですが、

完全に被膜に包まれて外に出ていなかったので

まず大丈夫だと思います。

もう、忘れちゃっていいんですよ(*^-^*)」

 

ずきゅーん♥

「忘れちゃっていいんですよ」

再発に怯えるがん経験者にとって、

まさにキラーワードかもしれない。

 

「がんはもう忘れていいよ」辛い恋振り切るように外来を出る

 

昼過ぎに病院を出ると、朝とはうってかわって

夏の日差しがまぶしい。

なんだかこの感覚、前にもあったような・・・

 

そうそう、あれは退院後2週間の外来で、

病理検査の結果を聞いた時のこと。

 

朝は小雨が降っていたのに、外来を終えて外に出ると

ぬけるような青空が広がっていて、

まるで生まれ変わったような気持ちになったっけ。

 

次の検診は半年後、2021年1月。

それまでは適度にからだに気を使いながらも、

病を忘れたように生きていこうと思う。

 

雨あがりのにおいを吸いこんで蝉とわたしの命の長さ