リドヴォーでシャンパーニュ。

ちょっと珍しい病気になってしまったコピーライターの日記です。

術後一年検診の結果と蕎麦ミシュラン

先日のCT撮影日とはうってかわって、快晴の東京。

術後一年検診の結果を聞きに、再び築地へ。

 

今日の院内はそれなりの混み具合。

とはいえ、外来での待ち時間は5分程度で

ハンサム熊さんドクターの診察室へ。

 

「半年ぶりですね。体調はいかがですか?」

「はい、おかげさまでまったく問題ありません

(今日はじゃっかん二日酔いですが)」

「CTの画像も血液の数値もまったく問題ありませんねー

はい、再発の心配はなしです!」

 

さすがに一年で再発はないだろうと思ってはいたものの、

やはりほっとするお言葉です。

 

「それにしても、(腫瘍は)7センチあったんですよね・・・・

本当によかった。

そういえば、どうして見つかったんでしたっけ?」

と、ハンサム熊さん。

「人間ドックのCTです」

「ああ、レントゲンではまず見つからないですからね。

運が良かったですね!」

 

患者さんが少なめのせいか、

いつもよりゆったりとした雰囲気のドクターに、

気になっていた胸腺腫と甲状腺の関連などについて質問。

とりあえず、かなり以前に見つかった甲状腺の結節は

良性なので気にする必要はないとのこと。

 

その後、半年後の検診予約をとり、

がん保険の通院給付金の書類を文書課でお願いし、

本日のタスク終了!

 

午前11時。

朝食をほとんど摂っていなかったので、

昨夜白ワインを飲み過ぎた身体が、

蕎麦の出汁味を求めている!

築地から銀座2丁目までてくてく歩き、

ミシュランに選ばれたという「蕎麦 流石」へ。

 

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東銀座、古いビルの2階にひっそりと

 

ちょっと奮発して、3800円の昼コース。

スタートの小鉢は2色の湯葉盛り合わせ。

 

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とろ~んと出来立ての湯葉に、香り高い山葵

温かいかけ蕎麦。

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おつゆが薄味で好み

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海老のかき揚げと舞茸の天ぷら

添えてあるお塩もいいけど、

かけ蕎麦のおつゆにさっとくぐらせていただくのも。

 

続く冷たい蕎麦は、+200円でおろしを追加。

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腰が強い!香りがいい!おろし蕎麦

そしてデザートは、できたてアツアツの蕎麦がきに蜜ときなこ添え。

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感動的にふわっふわの蕎麦がき

温は、お出汁がきいた薄味の関西風味で、

柔らかめの食べやすいお蕎麦。

逆に冷は濃い目の出汁に、しっかり噛み応えのある蕎麦と、

コントラストがはっきり。

そしてラストの蕎麦がきは、儚いほどの柔らかさ。

 

コロナが収束したら、夜の8000円コースを

ゆっくりと味わいたいなあ。

メニューには日本酒はもちろん、ヴーヴクリコなどシャンパンまで!

銀座の夜の蕎麦会、いつになることやら・・・

 

告知の夜 しんと冷たいつま先に言葉を持たぬ猫のぬくもり

術後一年検診。ビールもケーキもぐっと我慢

雪がまじった冷たい雨の中、久しぶりに築地に向かう。

術後一年検診で、血液検査とCT撮影。

 

予約したのは半年前だったので、

CTの承諾書やら国がんの保険証やらをあたふたと確認し、

16時の予約に十分間に合うように出発。

 

採血コーナーには人気がほとんどなく、

待ち時間ゼロ。

CTの予約には時間があるけれど、

ほかにすることもないので受付すると

あっという間に呼ばれて

あっという間に終わる。

15時40分。

 

半年前はコロナ禍の谷間的な時期で

それなりに混みあっていたけれど、

これが緊急事態宣言の効果なんだろうか?

コロナの影響で検査控えや手術延期が話題になって久しいけれど、

実際に命にかかわる方がいるのではないだろうか?

 

そんなことを考えながら、

霙に打たれながら銀座四丁目まで歩く。

 

三越の地下でお惣菜やケーキを一通り眺めるも、

ぐっと我慢し、何も買わずに地下鉄へ。

 

検査の結果は一週間後。

なにごともなかったら恒例の昼ビールだあ!

 

大丈夫、大丈夫じゃない7対3 外来前の築地本願寺

 

人生最高体重まで、あと100グラム💦

ひとり飲み、ひとり旅、ひとりご飯。

 

ソロ活がなんでもなくできるようになったことは、

私にとって「大人になったな」と感じる瞬間かも。

 

ひとり飲みは20代後半頃から、

初めての海外ひとり旅は33歳頃だったかな?

 

そして、「大人」を超えて

「老化したな~」としみじみ実感したのは、

一昨年に希少がんが発覚したこと。

 

さらに最近、節制した食生活、

定期的な運動習慣を身に着けても

それでも体重の増加に歯止めがかからない・・・

この明らかな代謝の低下も、大人になったせいでしょうか。

 

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近所で人気「jam coffee」のパンケーキ

 

 

 

電話帳みたいだねそのパンケーキふんわり溶ける糖質爆弾

 

 

 

 

 

今週のお題「大人になったなと感じるとき」

死ぬまでに会いたいひと。

すいぶん長いこと会っていない友人から年賀状が届き、

思いがけなく嬉しい言葉が添えてあった。

 

「ブログ、読んでるよ!」

 

そして、昨年のこの投稿と、短歌についてもお褒めの言葉が・・・

 

kgrapevine.hatenablog.com

病気の件もひと段落したし、

そろそろおしまいにしようと思っていたこのブログ、

細々ながらも、もう少し続けてみようかな、と

ちょっとほっこりした気持ちになったのでした。

 

そしてダメ押しで届いたのが、

はてな」からの自動更新の通知!

年間8000円余りかかる「Pro」の設定、

解除しようと思っていたのに忘れていた!

事前に一言知らせてくれればいいのに・・・

なんとも世知辛い(怒)

とほほ・・・

 

そんなこんなで、あと一年は続ける羽目になりましたので、

引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

 

死ぬまでに会っておきたい人がいて 会えるわけない だけど会えたら

 

 

 

 

わたしは錆びた1本の管

 

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さすがに検査当日はお酒ご法度。明日のお楽しみ~

 

人生初・内視鏡検査が無事終了。

 

昨年、胸腺腫が発覚して

CTやらPETやらいろいろと検査はしたものの、

消化器系の病変は見つかりにくいと聞いていたので、

一念発起!

 

どうせなら一度に済ませておこうと、

胃と大腸の内視鏡検査を一日で。

 

前日の検査食、当日の絶食、下剤処置などを乗り越え、

いざ15時から胃の内視鏡、続いて大腸から十二指腸・・・

 

意外なことに、鎮静剤の効果で苦痛はゼロ。

特に胃の検査はまったく記憶なし、

腸検査の最後の方は薄ぼんやりと、

「あ、お腹が何かもぞもぞするなー・・・」くらいの感覚でした。

 

結果、「胃も腸も食道もきれいな状態」とのこと。

長年さんざんお酒飲んできたし、

ポリープの1つくらいは見つかる覚悟だったので、

やれやれ一安心です。

 

帰宅して、たらの切り身でアクアパッツアをつくり、

温かいつみれ汁と白和えをいただく。

丸一日絶食した後だから、しみじみ美味しい。

 

昨年以来、「検査」のたびにナーバスになるわたし。

問題がなかったというだけで、

ご褒美をもらったような幸せをかみしめています。

 

内視鏡上と下から貫通し わたしは錆びた1本の管

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今週のお題「自分にご褒美」

見つけてくれて、ありがとう

患者会の「Zoom おしゃべり会」に初めて参加。

 

「胸腺腫」は20万人に1人といわれる希少がんなので、

同じ経験をした方に会うことはなかなかないし、

病院選びや治療に関する情報も集めづらい。

その結果、とても深刻な状況に陥ってしまう方の多さに、改めて気づかされた。

 

5年前のCTに腫瘍が写っていたのにもかかわらず

「心膜嚢胞」と誤診され放置してしまった人。

 

胸腺腫の合併症として知られるMG(重症筋無力症)を発症し、

その可能性を医師に訴えたのに、

「そんな病気のわけないでしょ、ドラマじゃあるまいし」と退けられ、

確定診断までに5年を要し、Ⅳ期にまで進行してしまった人・・・

 

今回のミーティングに参加された患者さんは、

私も含めて11人。

そのうちの少なくとも4人は、

検査での見逃しが原因で病気を進行させてしまった。

 

私の場合、昨年自主的に受けた人間ドックで

偶然腫瘍が発見され、速やかに専門医にアクセスできた。

それはある意味「セーフ」というか、感謝すべきことなんだろう。

 

しかし、ある論文の中には、

「胸腺腫を発症すると、他のがんにかかる確率も上がる」と記述され、

再発への漠然とした不安はある。

 

 とはいえ、当然未来は予測できないし、

なってもいないがんに怯えても何もメリットはない。

まずは現状に感謝しつつ、

がんになりにくい生活を心がけようと改めて思う。

 

夢ですか?大きな声ではいえないけれど未亡人になることかな

 

 

今週のお題「感謝したいこと」

 

死ぬなら「がん」が好都合。

マーク・トウエインが遺した言葉がある。

 

「愛はもっとも素早く育つものに見える。

だがもっとも育つのが遅いもの、それが愛なのだ」

 

確かにこれはある意味真実だと思う。

 

それとは逆に、「嫌い」という感情は

一瞬で育つのではないだろうか。

 

ちょうど一年前、私に希少がんが見つかったとき、

強く感じた思い、それは

「わたしの遺産、オットに残すのは絶対にいや」

というものだった。

 

むすめがお腹にいるころ、

あるいくつかのことをきっかけに

オットを急速に嫌いになった。

 

具体的な理由は彼の人権にかかわるので書かないが、

生理的に許せないことと、感情的に許せないことが複数あった。

 

もともと「すごく好き、愛してる」というわけではなかったが、

それなりの好意と尊敬はあったはずなのに、

あっという間に嫌いになった。

以来、その感情が変わることはない。

 

何度も離婚を申し出たがのらりくらりとかわされ、

なかなか別れることができない。

 

でももしいつか、わたしのがんが再発して

命にかかわる状況になったら

どんなことがあっても離婚すると思う。

 

何度も書くけど、

がんで死ぬって、そんなに悪いことでもないし、

個人的にはむしろ好都合。

脳出血とか大動脈解離とか、

一瞬で死んでしまったら、なにも準備できないからなあ。

(ちなみにオットはこちらの死に方が好みらしい

ふっ、なにからなにまで価値観違う)

 

「心」より「華」のコースが高いってランチみたいな葬式プラン