リドヴォーでシャンパーニュ。

ちょっと珍しい病気になってしまったコピーライターの日記です。

バケットリストを実行したい。いや、まだ棺桶には入らないけど

 成長しないで欲しいもの。

 

成長するって、素晴らしいこと、喜ぶべきこと。

でも、こと病気になると事情はちょっと違う。

 

希少がんの一種「胸腺腫」の疑いを指摘されて約1ヵ月。

ほぼその診断で間違いなさそうということで、

入院・手術の申し込みはしたものの、

有名国立病院、中でも呼吸器外科の有名なドクターが執刀ということで、

患者さんは100人待ち。手術は早くても2か月後になるという。

 

そうなると気になるのは、

その間に腫瘍が「成長してしまうのでは?」ということ。

 

そもそも胸腺腫というのは通常のレントゲンには映りにくく、

自覚症状もほとんど出ないため、気づいた時にはかなり大きくなっていることが多い。

私の腫瘍も、現在5.5センチ。

悪性の可能性は低めとはいえ、できれば早く取りたい。

でも、2ヶ月は無理。

 

経験者に聞いてみた!

 

そこで昨日、乳がん経験者の友人に電話をして、

この段階で別の病院を受診してみるのはどうかと相談してみた。

 

私の焦りに対して理解を示してくれる彼女。でも、

「私の経験からいえば、それはやめたほうがいいと思う」ときっぱり。

実は彼女も昨年乳がんが再発した時、7月に自覚症状があり、

検査結果が出たのは8月中旬。そして手術は12月にまでずれ込んだという。

乳がん、しかも再発でもこれが現状なんだ。

まるでタピオカ屋の行列のように、延々と並んで待つしかない患者たち。

「でも、その間に腫瘍が成長すること、ないのかな」

「大丈夫。よほど進行の速いがんでない限り変わらないはず。

もちろん、今の診断や術式に疑問があるとか、

ドクターを人間的に信じられないとかの理由があれば、

セカンドオピニオンを受診する価値はあると思うけど」

「いや、むしろ今提案されている術式は私もベストだと思うし、

何よりドクターの実績は申し分ないし、人としても信頼できる、

ぜひこの先生に手術して欲しい」

「だったら、待つしかないね」

 

経験者の言葉には説得力がある。

元々、自分でもそれが最善とわかっていたけれど、

ある意味命がかかっているだけに、変に往生際が悪くなってしまう。

しかし彼女との会話で、ようやく腹をくくる決心がついた。

 

やるべきことはもちろん、やりたいこともやる!

 

あと2ヶ月、病気のことはあまり考えずに普通の生活をしよう。

しっかり仕事をして、娘との時間や会話をたくさん持って、

友達と楽しく飲んで、忘年会にもなるべく出て、

クリスマスにはチキンを焼いて、

年末にはどこか暖かいところに旅行をしよう。

最高の人生の見つけ方」じゃないけど、

これを機会にバケットリストを実行に移してみるのもいいかもしれない。

 

腫瘍は、日々成長する(かもしれない)。

だけど、私もそれに負けずに成長するのだ!