「がんでも長生き」するためには?
「人生初手術」まで1週間。
別にカウントダウンするほどめでたくはないが、
停滞していた物事が動き出すのは良いことだ。
私の胸腺にある約5.5センチの腫瘍。
がんは「悪性新生物」とも呼ばれるが、
まさにエイリアンが棲みついているようなイメージ?
ただ、今の私が腫瘍に闘いを挑む心構えかといえば、
別にそういうわけでもなく。
私と同じくフリーのコピーライターで乳がんを患い
2018年に亡くなった今渕恵子さんの共著書
「がんでも長生き心のメソッド」の中に、
精神腫瘍科の医師に向けたこんな問いかけがある。
「がんという病は、寄り添ったほうがいいですか?
それとも闘ったほうがいいですか?」
闘病、という言葉があるように、
一般的には「病気と闘う」「がんに負けない」のような
イメージが強いが・・・。
これに対する精神腫瘍科の保坂医師の答えによると、
がんへの向き合い方には4つのスタイルがあるという。
1つ目が「負けないで勝ってみせる!」という闘病タイプ。
2つ目は、がんを真摯に受け止めて粛々と治療に取り組む。
3つ目は、「もうだめだ」と諦めたり絶望的になるケース。
そして4つ目は、がんであることを忘れているかのように過ごす。
予後の追跡調査によると、
3つ目の「諦めと絶望群」はがんの進行が極端に速く、
残りの3つの群にははっきりとした差がなかったそうだ。
つまり、病気との向き合い方は「人それぞれでいい」のだろう。
さて、わたしにとって腫瘍とは・・・
特に「闘う」という気持ちはなく、
何十年も積もり積もったストレスや毒素をぎゅっと集めて、
外に連れ去ってくれるようなイメージ。
だから手術をそれほど恐れることなく、
むしろ前向きな気持ちで待ち望めるのかもしれない。