リドヴォーでシャンパーニュ。

ちょっと珍しい病気になってしまったコピーライターの日記です。

静岡県熱海市梅園町。引っ越し11回目にして、本当に「住みたい街」に住む!

「引っ越し貧乏」の星のもとに生まれて

 

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駒込の自慢は六義園。これから紅葉のシーズン

引っ越しが好き。街の不動産屋が好き。不動産検索サイトで間取り図を眺めるのが好き。これはほとんど趣味というより、宿痾(しゅくあ)みたいなものかもしれない。

生まれたのは、茨城県土浦市。大学入学と同時に東京都北区・十条のアパートに住み、その後埼玉県川口市、東京・国立市、豊島区北池袋、結婚して西川口戸田公園、離婚して豊島区巣鴨駒込、再婚して文京区湯島、そして今住んでいる北区・西ヶ原に建売住宅を購入し、さすがに気軽に移転しづらくなって15年になる。

それだけ住処を転々としながらも、本当に「住みたい街」に住んだことは、実は一度もない。若い頃は予算に合わせて妥協するしかなかったし、今の家はそこそこ気に入っているけれど、本当は文京区内に住みたかった。

 

海辺の街に住みたい、できれば温泉付

 

そしていま、私には住みたい街がある。それは、静岡県熱海市梅園町。

「都会を離れて海か山のある街に住みたい」と考えるようになったのは、ここ数年のこと。とはいえ、高校生の娘の通学の都合があるので、今すぐ地方に移り住むわけにはいかない。

そこでひらめいたのが、「熱海にセカンドハウスを持つ」というアイディアだった。

リゾートマンションを借りて、週に何日かそこでひとりで過ごせたら…。フリーランスなので通勤の必要はないし、最近では、打合せもほとんどメールと電話で済む。熱海なら移動の時間やコストもコンパクトだし、私がしばしば留守になれば、夫と娘の家事スキルも否応なしに向上するだろう。

実際に熱海の賃貸物件を探してみたところ、熱海から一駅の「来宮」に手頃な賃貸リゾートマンションが見つかった。

 

海が見えるリゾートマンション、最高!

 

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熱海市梅園町、リゾートマンションから見える海

東京からこだまと伊豆急行線を乗り継いで、初めて降り立った「来宮」。熱海から近いのに驚くほど静かで、良い意味で閑散としている駅前。

熱海の梅園に隣接したそのリゾートマンションは、かなり理想に近い部屋だった。駅から徒歩で約10分、ベランダからほど良い距離に海が見え、24時間使用できる大浴場もある。家賃は7万5000円。

すぐにでも申し込みたいところだったが、実はひとつだけ気がかりなことがあった。それは、ちょうどその数日前に受けた人間ドックの結果。

特に気になる症状や体調不良があったわけではないが、今年は身近な人の大病、年下の友人の乳がんが再発したりと、何となく我が身を振り返るきっかけがあったので、自費で脳ドック、全身MRI、CTの健診を受けていたのだ。今まで健康診断でひっかかったことなどほとんどなかったのが、今年はなぜか虫の知らせのようなものがあった。

来宮のリゾートマンションを借りる決心はついていたが、とりあえず健診の結果を待ってからにしようと思った。

 

え、わたし「がん」なの?

 

人間ドックの報告書が届いたのは、その2日後のこと。そこには、「胸腺腫・胸腺がんの疑い」という不穏な1行が記されていた。聞いたことのない病名なので始めはピンと来なかったが、ネット検索をするうちに、いわゆる「希少がん」の1種であることがわかった。

「え?わたし、がんなの??」

じわじわと衝撃がやってきて、混乱、葛藤、後悔、自虐などなどいろんな感情が押し寄せてくる。

それから具体的に診てもらう病院を探し、国立がんセンターで診断を受けるまでのあれこれは、ここまでのブログに記したとおりだが、12月に入院・手術の段取りとなり、いまはベッドの空き、手術の具体的なスケジュールが決まるのを待っている状態だ。さすがに、リゾートマンション♪どころではない。これから医療費もどんとかかるわけだし。一年後の自分がどうなっているかも定かではない。

 

今度こそ、「住みたい街」に住む!

 

今日は2019年11月18日。明日、精密検査の結果を受け、主治医と麻酔医のダブル受診。どんな術式になるのか、入院・手術のスケジュールも大体決まることだろう。まさにまな板の上の鯉というのか、覚悟ができているようなできていないような?でも、私の気持ちは妙に明るい。

国立がんセンター中央病院は、築地にある。明日、午前中の診察を終えたら、場外の食堂で何か美味しいものを食べよう。立ち食い寿司か、もつ煮丼?そうすると、ビールも1本つけたくなるな。そう思える能天気な自分は、とりあえず大丈夫な気がする。

来月手術を終えたら、お正月は熱海で過ごすのも良いかもしれない。手術の跡はまだ目立つかもしれないけれど、個室の露天風呂がある宿を奮発しよう。

そうしていずれ落ち着いたら、改めて熱海・来宮の部屋を借りたいと思う。遠くに海が見えるあの部屋は、もうすでに借り手がついているかもしれないな。でも、きっとまた新しい部屋との出会いがあるだろう。

私は今度こそ、「本当に住みたい街」に住むんだ。それは多分、静岡県熱海市梅園町。

書籍化記念! SUUMOタウン特別お題キャンペーン #住みたい街、住みたかった街

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by リクルート住まいカンパニー