リドヴォーでシャンパーニュ。

ちょっと珍しい病気になってしまったコピーライターの日記です。

入院前日に新規仕事の顔合わせをねじこまれて、妙にうれしかった件

入院を明後日に控え、新規の仕事の依頼が入ってきた。

 

親しい女性フォトグラファーから、朝いちで電話。

あるエステティックブランドの

メインビジュアル開発の仕事に参加してほしいとの依頼だった。

 

実はその前日、彼女のスタジオで仕事仲間数人での飲み会があり、

病気と手術のことを話そうか迷っていたが、

初対面の方もいたので、結局話さずに切り上げてきた。

 

しかし、クライアント訪問の日程がちょうど手術の週ということで、

遅ればせながら打ち明けることに。

 

「仕事のお話はありがたいんだけど、実は来週手術を受ける予定で

基本的に動けないんだよね・・・」

「え!手術?どんな??」

「希少がんの一種で、胸腺に腫瘍が見つかって。

もっとも、それほど深刻な状態じゃないし、

命にかかわる可能性はほとんどないらしいから心配しないで」

 

驚きながらも理解してくれ、

「とにかく、がんばって手術切り抜けてくださいね!」と彼女。

「ところで、24日入院ということは、今週は動けます?」

「まあ、体調に問題はないし(昨日の飲みっぷりを見ればわかると思うけど)、

23日までなら動けるよ」と話して電話を切った。

 

すると数10分後に、「23日にクライアントにアポ入れました!」との連絡が。

すごいな、24日に入院って言ってあるのに、

前日に打合せをねじこんでくるこの感じ。

でも、実はこれ、とてもうれしかった。

 

病気だから、がんだから、変に同情されたり、

腫れものにさわるように扱われるのが一番傷つく。

実際会社員として働いていると、

がんの治療をきっかけに閑職にまわされたことなども耳にするし。

 

でも、たとえ病気になっても人は急に変わらないし、

治療との兼ね合いをきちんとすれば、今までと同様に働けることも多い。

 

私が無事手術を終えて仕事に復帰できることを

自然に信じてくれている、彼女の

ある意味「無茶ぶり」が、妙にうれしいのだった。