リドヴォーでシャンパーニュ。

ちょっと珍しい病気になってしまったコピーライターの日記です。

負け惜しみじゃなく、わたし、がんになって良かったかも

がんになることのメリット、デメリット

 

がん患者が、病気と向き合うために有効な方法として、

「ベネフィット・ファインディング」というものがある。

がん患者の心のケアを専門とする「精神腫瘍科」のメソッドだ。

 

やり方は簡単。

紙とペンを用意し、真ん中に縦の線を入れ、

左側に「がんになって悪かったこと・失ったもの」を書き、

右側には「がんになって良かったこと・得たもの」を書き出す。

「がんになって良かったことなんてあるわけないじゃない!」

と戸惑う人が多いだろうが、実は私は意外に告知から早い段階で、

「がんになったことは私の人生において悪くなかったのでは?」と感じていた。

 

わたしのベネフィット・ファインディングリスト
 

悪かったこと・失ったもの

・治療に合わせて仕事や旅行などのスケジュールが組みにくいこと

・家族や友人に心配をかけること、または同情されてしまうこと

・今までの両親や親戚との関係を見直し、怒りや後悔を感じることがあった

・今までの健康法や食生活に自信が持てなくなったこと

・計画していたセカンドハウス計画が頓挫した

・手術後も再発の不安を抱えること

 

良かったこと・得たこと

・仕事のペースを見直して、自分でやりたい仕事を選ぶようになったこと

・ふだん感情をあまり表さない娘の、何気ないいたわりを感じられるようになった

・病気になったのが娘じゃなくて良かった!と思えたこと

・食生活を見直すきっかけになったこと

・怒りが身体に与えるダメージについて考え、アンガーマネジメントを意識するように

・ちょっとした人のやさしさや風景の美しさなどに感動しやすい

・病気をきっかけにブログを始めて、改めて自分の内面を見つめ直すことができた

・人生に限りがあることを改めて実感。やりたいことをやろう!と前向きに

・老後のために貯金を!という強迫観念が少し減ったこと

 

 

まだまだありそうだが、実際にリストにすると、

デメリットよりメリットの方が明らかに多い。

別にこれ、負け惜しみじゃありませんよ?

 

キャンサーギフト、という言葉は以前から知っていたけれど、

正直、「がんになって良いことなんてあるんだろうか?」と思っていた。

 

でも、よく考えてみれば人間誰でもいつかは死ぬんだし、

たとえば突然死や事故死のような突発的な死より、

自分なりにあれこれ準備し、納得できる死に方の方が

私には向いていることを再確認できた。

 

希少がん、上等!

自分らしく、前向きに、楽しみながら(?)向き合っていこうと思う。