リドヴォーでシャンパーニュ。

ちょっと珍しい病気になってしまったコピーライターの日記です。

死ぬまでに会いたいひと。

すいぶん長いこと会っていない友人から年賀状が届き、

思いがけなく嬉しい言葉が添えてあった。

 

「ブログ、読んでるよ!」

 

そして、昨年のこの投稿と、短歌についてもお褒めの言葉が・・・

 

kgrapevine.hatenablog.com

病気の件もひと段落したし、

そろそろおしまいにしようと思っていたこのブログ、

細々ながらも、もう少し続けてみようかな、と

ちょっとほっこりした気持ちになったのでした。

 

そしてダメ押しで届いたのが、

はてな」からの自動更新の通知!

年間8000円余りかかる「Pro」の設定、

解除しようと思っていたのに忘れていた!

事前に一言知らせてくれればいいのに・・・

なんとも世知辛い(怒)

とほほ・・・

 

そんなこんなで、あと一年は続ける羽目になりましたので、

引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

 

死ぬまでに会っておきたい人がいて 会えるわけない だけど会えたら

 

 

 

 

わたしは錆びた1本の管

 

f:id:kgrapevine:20201209111506j:plain

さすがに検査当日はお酒ご法度。明日のお楽しみ~

 

人生初・内視鏡検査が無事終了。

 

昨年、胸腺腫が発覚して

CTやらPETやらいろいろと検査はしたものの、

消化器系の病変は見つかりにくいと聞いていたので、

一念発起!

 

どうせなら一度に済ませておこうと、

胃と大腸の内視鏡検査を一日で。

 

前日の検査食、当日の絶食、下剤処置などを乗り越え、

いざ15時から胃の内視鏡、続いて大腸から十二指腸・・・

 

意外なことに、鎮静剤の効果で苦痛はゼロ。

特に胃の検査はまったく記憶なし、

腸検査の最後の方は薄ぼんやりと、

「あ、お腹が何かもぞもぞするなー・・・」くらいの感覚でした。

 

結果、「胃も腸も食道もきれいな状態」とのこと。

長年さんざんお酒飲んできたし、

ポリープの1つくらいは見つかる覚悟だったので、

やれやれ一安心です。

 

帰宅して、たらの切り身でアクアパッツアをつくり、

温かいつみれ汁と白和えをいただく。

丸一日絶食した後だから、しみじみ美味しい。

 

昨年以来、「検査」のたびにナーバスになるわたし。

問題がなかったというだけで、

ご褒美をもらったような幸せをかみしめています。

 

内視鏡上と下から貫通し わたしは錆びた1本の管

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今週のお題「自分にご褒美」

見つけてくれて、ありがとう

患者会の「Zoom おしゃべり会」に初めて参加。

 

「胸腺腫」は20万人に1人といわれる希少がんなので、

同じ経験をした方に会うことはなかなかないし、

病院選びや治療に関する情報も集めづらい。

その結果、とても深刻な状況に陥ってしまう方の多さに、改めて気づかされた。

 

5年前のCTに腫瘍が写っていたのにもかかわらず

「心膜嚢胞」と誤診され放置してしまった人。

 

胸腺腫の合併症として知られるMG(重症筋無力症)を発症し、

その可能性を医師に訴えたのに、

「そんな病気のわけないでしょ、ドラマじゃあるまいし」と退けられ、

確定診断までに5年を要し、Ⅳ期にまで進行してしまった人・・・

 

今回のミーティングに参加された患者さんは、

私も含めて11人。

そのうちの少なくとも4人は、

検査での見逃しが原因で病気を進行させてしまった。

 

私の場合、昨年自主的に受けた人間ドックで

偶然腫瘍が発見され、速やかに専門医にアクセスできた。

それはある意味「セーフ」というか、感謝すべきことなんだろう。

 

しかし、ある論文の中には、

「胸腺腫を発症すると、他のがんにかかる確率も上がる」と記述され、

再発への漠然とした不安はある。

 

 とはいえ、当然未来は予測できないし、

なってもいないがんに怯えても何もメリットはない。

まずは現状に感謝しつつ、

がんになりにくい生活を心がけようと改めて思う。

 

夢ですか?大きな声ではいえないけれど未亡人になることかな

 

 

今週のお題「感謝したいこと」

 

死ぬなら「がん」が好都合。

マーク・トウエインが遺した言葉がある。

 

「愛はもっとも素早く育つものに見える。

だがもっとも育つのが遅いもの、それが愛なのだ」

 

確かにこれはある意味真実だと思う。

 

それとは逆に、「嫌い」という感情は

一瞬で育つのではないだろうか。

 

ちょうど一年前、私に希少がんが見つかったとき、

強く感じた思い、それは

「わたしの遺産、オットに残すのは絶対にいや」

というものだった。

 

むすめがお腹にいるころ、

あるいくつかのことをきっかけに

オットを急速に嫌いになった。

 

具体的な理由は彼の人権にかかわるので書かないが、

生理的に許せないことと、感情的に許せないことが複数あった。

 

もともと「すごく好き、愛してる」というわけではなかったが、

それなりの好意と尊敬はあったはずなのに、

あっという間に嫌いになった。

以来、その感情が変わることはない。

 

何度も離婚を申し出たがのらりくらりとかわされ、

なかなか別れることができない。

 

でももしいつか、わたしのがんが再発して

命にかかわる状況になったら

どんなことがあっても離婚すると思う。

 

何度も書くけど、

がんで死ぬって、そんなに悪いことでもないし、

個人的にはむしろ好都合。

脳出血とか大動脈解離とか、

一瞬で死んでしまったら、なにも準備できないからなあ。

(ちなみにオットはこちらの死に方が好みらしい

ふっ、なにからなにまで価値観違う)

 

「心」より「華」のコースが高いってランチみたいな葬式プラン

 

 

 

さて、「ピザ」と「ピッツア」の違いは?

f:id:kgrapevine:20201124132303j:plain

「僕」と「五反田くん」が食べたのは、たぶんこんなピッツァ

私にとって初めてのピザは、

冷凍食品のうす~いやつ。

オーブントースターでチンして、

ふにゃっとしたのを片手で食べる。

あれはあれで、それなりに美味しかったような気がする。

 

私にとって初めてのデリバリーピザは、

大学生の時に観た映画「ET」。

エリオットがピザを受け取り、

確か落としてぐしゃっとしてしまうんだっけ?

当時日本にはまだドミノピザもなく、

実際に食べたのはさらに数年後のこと。

 

小説に出てくるピザの中で一番美味しそうだったのは、

村上春樹の「ダンスダンスダンス」。

「僕」と「五反田くん」が最後に会うシーンで、

ふたりはシェーキーズで焼きたてのピッツァを

ビールとともに黙々と食べる。

味の描写は取りたてて具体的ではないのに

この上なく美味しさが伝わる村上マジック。

 

さてこのところ、小麦粉食を最小限にしているため

ピザは随分食べていない。

石窯でさっと焼いたナポリ風のピッツア、

久しぶりに食べたいな。

 

ETとエリオットを真似 指と指「好き」のかわりに交わしたあの日

 

 

 

 

今週のお題「ピザ」

奇跡のようにいまを生きてる

f:id:kgrapevine:20201119105231j:plain

数日前の六義園

「告知」とは、その字面の通り「告げ、知らせること」

ですが、なぜか、がんの枕詞のようになっていますよね。

 

私が「告知」されたのは、約一年前の11月5日のこと。

とはいえ、主治医の経験から

「命にかかわることのない軽微な状態」と判断されたのか、

まったく深刻な雰囲気ではなく

「ま、大丈夫ですからねー

腫瘍をまるっととったら終わりですよー」

という感じでした。

 

そうは言っても、やはりがんはがん。

それなりのショックは受けたし、

人生でもっとも「死」に近づいた瞬間だったのは確か。

 

告知の夜しんと冷たい爪先に言葉を持たぬ猫の温もり

 

それは、六義園の紅葉がはじまる時期で。

毎日のように散歩に出かけては、

いろいろなことを考えたな。

さくさくと落ち葉を踏みしめながら。

 

ふと、空中に浮かんでいるような一枚の枯れ葉が目にとまり、

「わたしの命って、こんな状態かもしれない」

と切実に感じたことが、いまも心に残っています。

 

蜘蛛の糸ただ一筋にささえられ奇跡のようにいまを生きてる

f:id:kgrapevine:20201119105816j:plain

 

 

 

 

 

ちょっとした傷が治らないお年頃。

2週間ほど前につけた、ちょっとしたかすり傷がまだ治らない。

 

さすがに50代も半ばを過ぎて、新陳代謝の衰えを痛感する。

そして代謝が下がると、体重は驚くほど簡単に増える。

 

別に若い頃に戻りたいとは思わないけど、

やはり一抹の寂しさというか何というか・・・

 

そう、そして加齢による変化といえば、

最近ずーっと気になっている「胃もたれ」。

胃腸は丈夫でいつでも食欲全開の私にしては

かなり珍しい状況なのです。

 

今年は胸腺腫の手術も受けたし、

人生初の胃カメラ・大腸カメラの予約を入れましたよ。

鎮静剤でかなり負担なくできるらしいけど、

3日前から食事を調整したり、結構大変なのね。